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更新履歴(要約) ​

ecalj の新しい機能と、結果が変わる修正の要約。新しい順。詳しい記録(全部の変更)は ecalj の Changes.md。各項目の説明はリンク先のページ。

最近の大きな話題(2026-09〜10) ​

1. 温度と均し方は t_tetrakbt と t_sigmaw の 2 つだけ、LiTi₂O₄ の反復の結果(tf32・fp32・fp64) ​

  • 温度と均し方の指定は、[gw] の 2 つのキー t_tetrakbt と t_sigmaw だけになった(単位は K)→ kBT 表 4
    • t_tetrakbt(χ0 側、必須): 0 は T = 0 のテトラヘドロン法(均さない)、正の値 T は温度 T の有限温度のテトラヘドロン法、 負の値 −T は T = 0 のテトラヘドロン法で作った Im χ0 を、温度 T の Fermi–Dirac と同じ幅の Gaussian で均す → kBT §2
    • t_sigmaw(Σ 側、既定 1000): Σx・Σc の中間準位を均す Fermi–Dirac 核の幅 → kBT §3
    • 以前のキー SmearX0・esmr・tetrakbt = true・t_sigmakbt は使わない(SmearX0 が残っていると止まり、ctrlg_update.py が書き換える。 キーの変遷は kBT §2.5 の表 2)
    • wcsmear(既定 true)は温度ではなく、Σc の実軸の極の項で極の位置にも同じ核を使うスイッチ。既定のままでよい。 金属で反復や k メッシュによってバンドが荒れる原因(小さい q の W のプラズモン極を Σc の実軸の極の項が拾う)をこれで均す → kBT §3.5
  • LiTi₂O₄(金属スピネル、14 原子)の MLO-QSGW を LDA から 40 反復(6³ と 9³、gwsc --mlo)。GPU の行列積の精度(gwsc --prec=tf32|fp32|fp64)を変えても、 MLO バンドの差は数 meV 以下(6³ の 10 反復で tf32 と fp32 が t2g で 0.8 meV、1 反復目の fp64 と fp32 が 1 meV)で、反復やメッシュによる差(数十 meV)より 1 桁小さい。速い tf32 で回してよい(1 反復: 6³ で tf32 3.7 分、fp64 17 分。kt1、RTX 5090 × 2)。反復を 10 回で止めると収束の途中で、30〜40 反復が要る → LiTi₂O₄ のまとめ(表 3〜5、図 1・2)、MLO-gwsc、GPU version

2. MLO とマグノン ​

  • MLO は Löwdin で直交化した関数(射影 Wannier 関数)を標準にした(2026-10-02)。軌道の名前と対称性を保ち、模型は直交した基底の だけ。 ・・cRPA(job_mloW)とマグノン(job_mlo_magnon)もこの基底で、Wannier 関数(最大局在化)の経路は外した → MLO §6
  • マグノン(bcc Fe、FeCo、Ni): MLO の窓によらなくなり、Wannier 関数による以前の計算に近づいた。bcc Fe では q ≥ 0.4 でほぼ重なり、q ≤ 0.3 では MLO が 2 割ほど高い。Goldstone の条件のための の倍率は Fe 1.24、FeCo 1.28、Ni 1.75 → Fe のマグノンのサンプル(表 2・図 1)
  • cRPA の : Ni の d で MLO 2.90 eV、Wannier 3.78 eV(部分空間の取り方の違い。遮蔽をすべて入れた RPA の は 1.43 と 1.58 eV で近い)→ MLO §6

2026-10-03 ​

  • GetStarted with AI(New!): この頁の URL を AI(Claude Code など)に渡すと、ecalj の要約、何ができるか、読む順、 インストールと最初の計算と試験(マシンごとの時間の表)を、対話で案内する。頁は AI が読む前提で書いてある

2026-10-02 ​

  • MLO は Löwdin で直交化した関数になった。MLO の部分空間の射影 Wannier 関数で、軌道の名前(t₂g、e_g など)と対称性を保つ。 模型は直交した基底の だけで持ち、スピン軌道、・・cRPA(job_mloW)、マグノン(job_mlo_magnon)、MLO-QSGW の もこの基底。 メッシュ上のバンドは変わらず、メッシュの外の内挿は 近くで良くなる(63 物質で最大の誤差の中央値 0.019 → 0.011 eV)。 マグノンは MLO の窓(mlo_delta、mlo_w)によらなくなり、Wannier 関数による以前の計算に近づいた。 → MLO §6「MLO の標準」、表 M8
    • 古い HamRsMLO は読まない。job_mlo を回し直す。直交化しない以前の模型は job_mlo <sname> --mlo_raw(比べるときだけ)
    • 模型の検査(mlo_bandcheck.py)の判定 3 は「帯のとげ」(模型のバンドが 1 点で跳ぶ。一次従属の崩れ)になった → MLO §9 式 (12)
  • 対称性は spglib から(symgrp = "find" のとき。spglib 2.6.0 を同梱、Python は要らない)。求めた操作は作業ディレクトリの symmetry.<sname>.json に書き、次からはそれを読む。超格子の純粋な並進、反強磁性([[site]] の af)の磁気対称性も含む。 symgrp に生成元を書いた入力は従来どおり。古い探し方(ECALJ_SYMFIND=ecalj)は外した(入力の書き方はどれも今のまま使える)→ lmf の SYMGRP
    • 操作の並びが前と違うので、並びをそのまま書き出す出力(BoltzTraP の .struct など)は並びが変わる
  • 反強磁性の対称性は symgrpaf = "find" と書けば、spglib が af の印から求める(生成元を書かなくてよい)。symgrpaf を使うときは pwmode = 11 → UsageDetailed の Antiferro symmetry
  • Wannier 関数(最大局在化)の経路、異常ホール伝導度(AHC)、lmfham2 を外した。模型は MLO だけ。cRPA は job_mloW <sname> --crpa、 広がりは mlo_spread.py、マグノンは job_mlo_magnon。外す前の版は git のタグ last-wannier → MLO §6
  • MLO を実空間で規格化した(・ が長さ 1 の軌道の値になる。Fe の d の が 1〜6 % 動いた)→ MLO §6 式 (7a)
  • 直した誤り: lmchk --getwsr(MT 半径の見積もり)がスピン分極の入力で止まっていた

2026-10-01 ​

  • MLO の模型の既定を整理した(基準 1・2・3)。半内殻の局所軌道は帯の位置から自動で選ぶ(入力のキーは無い)。gwinit は 4f の原子の f と、 ! 付きの mlo_lm2(外せば基準 2、空隙の大きい MgTe・ZnTe・CdTe・AlN などが合う)を書く → MLO §1・§9
  • 模型の検査 mlo_bandcheck.py(job_mlo・job_mlo_soc が最後に回し、CHECK PASS/FAIL を出す)→ MLO §9
  • job_mlo_soc は、スピン軌道ありの DFT のバンドも描いて比べる → MLO §4
  • Materials Project の API キーは、ecalj の最上位の MaterialProject.key(git で無視)か環境変数 MP_API_KEY に置く

2026-09-30 ​

  • 結果が変わる修正:
    • pwmode = 11(既定)での LDA+U の密度行列、スピン軌道の軌道モーメント、--cls が、別の k の次元で固有ベクトルを読んでいた(2026-03-30 から)。 この間の pwmode = 11 の LDA+U の SCF は誤り
    • [[spec]] の idu = 10 + mode(4f の idu = 12 など)は、sigm が無いとき二重計数の項を引かない LDA+U になっていた(2023-09 から)
    • 反強磁性の対称性(symgrpaf)の QSGW が止まっていた → 両方のスピンを計算して動く
  • --ctrlg:<path>=<value> で、ファイルに無いキーも書き足して効かせる(これまで既定値のまま走った)→ TOML migration
  • gwscconv: 金属・半金属は固有値の変化で収束を判定する → gwsc
  • サンプルを組み直した(SOC の磁気異方性、LDA+U、有効質量、構造緩和、DOS、IIR、箱の中の分子、電子温度のスキャンなど)→ Samples

2026-09 以前(大きな話題) ​

時期話題説明
2026-09MLO-QSGW(自己エネルギーを MLO 表現で内挿する QSGW、gwsc --mlo)MLO-gwsc
2026-09有限温度(χ0 の t_tetrakbt、Σ の準位の幅 t_sigmaw、wcsmear)kBT
2026-09GW の GPU 高速化(精度の切り替え --prec=tf32|fp32|fp64、方法は表で自動)GPU version
2026-09MLO の自動の窓(mlo_method = 4)、局所軌道の扱いMLO
2026-06有限温度の四面体法、gw_lmfh の GPUkBT、gwsc
2026-05入力は ctrlg.<sname>.toml 一本に(TOML)、上書きは --ctrlg:TOML migration